そうまの米づくり
平成18年度末で出荷契約者の約78%がエコファーマー認定

栽培マニュアルJAそうまが、エコファーマー認定者によるエコ米づくりを始めたのは平成16年からです。これは福島県下のJAでは最も早い取り組みであり、当初より「売れる米づくりの具体化」「土づくりによる品質・食味を高める」「減農薬・減化学肥料を進め、環境にやさしい農業の実現」「エコファーマー認定100%の推進」の4点が基本方針として謳われていました。

平成19年3月末の時点で、JAそうまの出荷契約者数5,319名に対し、エコファーマー認定者数は4,137名。わずか3か年で総数の77.8%を占めるまでになっています。JAそうまのエコファーマーはJA米要件を充たした上で「そうま米栽培マニュアル」に基づいた生産活動を行っている点です。また、JAそうま版のエコファーマー認定の技術要件を設け、そのすべてを充たすよう定めています。

JA米要件
エコファーマーの要件(JAそうま版)
・堆肥等施用技術 生わらを、秋に規定量の土壌改良資材等とともにすき込み、堆肥化する。 または、完熟堆肥を施用(1t/10a以上)する。
・化学肥料の削減 化学由来窒素2割以上削減(県慣行基準対比)
コシヒカリ 5kg/10ha以内
ひとめぼれ(平坦部) 7kg/10ha以内 
・化学肥料低減技術 有機質肥料を施用する(有機態窒素50%以上肥料の統一)
・化学農薬のべ使用成分回数 本田で2割以上減(県慣行基準対比)
農薬10成分以内
・化学農薬低減技術 こまめな畦畔の草刈り
・分析 土壌分析は全員実施 堆肥分析は該当者のみ
 
●JAそうま コシヒカリ栽培暦
JAそうま コシヒカリ栽培暦
さらに進化した「特別栽培米」に取り組むJAそうま

JAそうま管内では、平成18年度時点でエコ米栽培実績が8割近くに達し、よりハードルが高い特別栽培米に取り組み可能な技術レベルにあると判断。平成19年から本格的に特別栽培米(化学農薬・化学肥料使用を地域慣行栽培の5割減)の作付拡大を推進しています。平成19年は800ヘクタールの目標に対し、1001ヘクタールの実績を残し、さらに平成20年は2400ヘクタール、平成21年には全作付面積の50%にあたる4000ヘクタールまで拡大していく予定です。産地間競争に勝ち残り、より多くの消費者の皆様に支持していただくために、JAそうまでは「環境に配慮した安全・安心、そして売れる米づくり」を推進しています。

エコファーマーに聞く!
牛安澤 孝行 ごあんざわ のりゆき さん(相馬市)
「そうま米」の競争力を高め、ブランド化を図る、
地域ぐるみでエコファーマー認定へ。
いまから3年前、平成16年に食の安全性を高め、売れ残らない米づくりをめざして、「JAそうま稲作部会」が設立されました。私は推薦をいただいて部会長を務めることになりましたが、地域の米づくりは大きな曲がり角に立っていました。「そうま産米」の価値をいかに高めていくか。消費者の皆さんに喜んでもらえる米づくりとは……。私たちは、先々の特別栽培米づくりを視野に入れながら、エコ米づくりに取り組むことにしました。これまでの生産方式を変えることに抵抗はありませんでした。むしろ変えなければ、今後の不安の方が大きくなるように感じていました。JAそうまの指導を受けながら、これまでの経験に頼った米づくりを改め、自然環境に配慮しながら安全で安心できるエコ米づくりを実践していきました。その結果、平成19年3月には、JAそうま管内の生産者の約8割がエコファーマーの認定を受けるまでになりました。残る方々は従来の米づくりのままですが、これは生産者の高齢化が進み、自宅で消費する程度しか米を生産していないためです。
さらに上質な米づくりをめざして。
エコ米から特別栽培米へステップアップ。
相双地方は、初夏にオホーツク海から冷風「山背(やませ)」が吹き寄せます。その影響で梅雨が7月下旬から8月にズレ込むことがあり、米の品質が安定しませんでした。そのため、米価が上がったときに売れ残るのはこの地区の米かな、という不安がありました。米どころと言われる新潟や会津と比べて、相双地区は米づくりにベストの環境とは言えません。こうした課題を克服し、生産者の所得向上を図るために、エコ米や特別栽培米への取り組みは不可欠だと思います。エコ米づくりに取り組んで4年になりますが、地域の自然環境にもよい影響を及ぼしているような気がします。わが家では、私と妻が米づくりを行っていますが、田んぼに沿った用水路の水がキレイになってきたと、夫婦で時々話しています。地域全体でも従来型の慣行栽培は、環境に影響を及ぼすことを理解するようになりました。これもエコファーマー認定の副産物だと思います。
特別栽培米5か年計画がスタート。
生産者が自信を持って売れる米づくりを。
JAそうま管内の生産者は、平成18年からエコ米よりもさらに基準が厳しい特別栽培米をつくり始めています。平成19年度スタートの5か年計画では、平成23年には6,000ヘクタールの特別栽培米の生産をめざしています。私はいち早く特別栽培米の生産に取り組み、昨年は約20ヘクタールの収穫がありました。今年は長崎の生協から問合せがあり、福島県郡山市や田村市のJAが視察にも来ました。これは私個人の喜びとしてだけでなく、他地域に先駆けたJAそうまの取り組みが評価されたのだと思っています。今後は特別栽培米の作付面積を増やしていくことはもちろん、生産者一人ひとりが自信を持って売ることのできる米づくりをめざしていきます。生産者同士が固く連携し、勉強会や研修会などもどんどん実施します。「そうま米」がより多くの消費者の皆さんに信頼され、美味しいと言ってもらえたら、これに勝る喜びはありません。
牛安澤 孝行さん
牛安澤 孝行 ごあんざわ のりゆき さん(相馬市)
相馬市の農家に生まれる。20代から30代にかけて様々な仕事に従事。35歳から代々の家業である農業に本格的に取り組む。平成16年、福島県知事から「エコファーマー」に認定される。現在、JAそうま稲作部会部会長、相馬地方農業共済組合理事、相馬市農業委員会委員などの要職を務める。63歳。
 
稲作部会の活動状況について語る牛安澤さん
JAそうま・米穀グループの酒井さんと稲作部会の活動状況について語る牛安澤さん
 
たわわに実る黄金色の特別栽培米
たわわに実る黄金色の特別栽培米。JAそうま管内では作付面積が急増している
会津方部の取り組み